江東中医薬学院

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中薬学講義 解表薬1(2019年4月21日(日)の要点)

解表剤

(1)発散風寒薬(辛温解表薬)

温性が強く発汗作用が強い薬物は「発汗解表」、強くないものは「去風解表」と記載されている。

麻黄と桂枝

麻黄の発汗作用=腠理を開かせて発汗させる

桂枝の発汗作用=血脈を温めて発汗させる=帰心経

          1)温経通陽⇒血瘀証、風寒痺証

          2)温助陽気(補虚作用)

麻黄の平喘止咳作用=解表により肺の宣発を助けるだけでな直接的に咳を止める(エフェドリン)

麻黄の利尿作用=肺は水の上源、解表により肺の宣発・粛降を助け利尿させるので風水証による浮腫に用いる。それ以外の浮腫には用いない。(作用は強くない)

 

紫蘇と生姜(刺身三点盛)

紫蘇の解表作用は弱い(軽症に用いる)。

行気作用あり気滞がある胃腸型感冒、脾胃気滞、妊娠悪阻に用いる。

生姜

温中=脾胃を温める。「止嘔の聖薬」=胃熱による嘔吐にも清熱薬と配合することで用いることができる。

 

香藿=夏の麻黄・芳香性が強い。

麻黄との作用の違いは「和中化湿」。夏は外感風寒に「湿濁中阻」を伴うので発表解表+和中化湿の作用があるので使いやすい。⇒暑湿感冒の代表方剤は「新加香藿飲」。

利尿作用は風水以外の浮腫にも使える。

荊芥

神農本草経では「温」であり辛温解表薬に分類されているが本草綱目では「疏風熱、清頭目、利咽喉、消瘡腫」と記載されて、温か涼かがはっきりせず、教科書では微温と書かれている。効能は去風解表となり風寒証、風熱証どちらにも使える。

「無風無痒」理論から止痒作用があり風疹の痒みや麻疹透発不暢に用いる。

防風

荊芥と配合されることが多いが防風の微温性ははっきりしている。弱い温性なので荊芥と同じく去風解表。

直接的な止痛作用があり解表作用の止痛薬と考えられる。

去風作用

1)風邪を取り除くことで除湿でき(勝湿)、風寒湿痺証に用いる。

2)痙攣止めることができる。古代では破傷風に用いた。(現代では用いない)

羌活

「非時感冒の仙薬」。唐代より副作用のない解表薬として使われるようになった。風寒感冒の代表方剤は荊防敗毒散である。

去風湿+止痛作用あり風寒湿痺証に用いる。

通鼻竅作用のある薬物

白芷 止痛作用=陽明頭痛、眉棱頭痛、歯痛

細辛 散寒力強い

   温肺化痰=外寒風寒で肺寒を伴う場合(小青竜湯)

   宣肺通竅=外寒風寒で鼻塞流涕を伴う場合(小青竜湯)

   止痛=麻酔作用あり

蒼耳子 毒性あり 去風湿

辛夷  毒性なし 鼻淵の要薬

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