江東中医薬学院

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中薬学講座 「四気(四性)」

 中薬には寒・涼・温・熱の4つの作用がある。作用と言ったのは人体を冷やすあるいは温める働きを持って疾病を治療するからである。お腹が冷えて痛いときには温める作用のある薬物を、発熱があるときには冷やす作用のある薬物を用いる。逆に考えれば冷えて痛むときに冷やす作用のある物、発熱があるときに温める作用のある物を使えば症状は当然悪化する。これは漢方薬を選択する場合の重要な点である。

 神農本草経(漢代末/中国最古の薬物書)には四「気」と記載されているが、その後

これは薬物の持つ作用(性質)であることから四「性」とも呼ばれるようになった。

 四性は当然医療実践の中で決定されていくものだが長い歴史の中で変更されていく薬物もある。例えば薄荷は温性であったが今は涼性に分類されている。荊芥は医師によって認識が異なっていた。神農本草経では微温性であるが李時珍は「疏風熱、清頭目、利咽喉、消瘡腫」に用いつまり涼性という認識であった。現代中薬学では微温に分類されている。

 寒・涼・温・熱は程度の差であり寒は涼より冷やす力が強い。同じ温でも温煦、温熱があり同じ性でも程度は異なる。各論では注意すべきである。

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