江東中医薬学院

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中薬学講座「帰経」

薬物と人体部位(臓腑・経絡)との選択性を帰経という。

同じ「寒・苦」で清泄の作用があっても石膏は帰経が肺なので肺熱による咳嗽に用いるし、決明子は肝なので肝熱による目赤腫痛に用いる。また単に臓腑と理解するのではなく経絡も忘れてはいけない。柴胡は肝であるが胸脇苦満のような肝経の気滞にも用いる。

各論では、薬物と主治との関係を理解する上でポイントになる。例えば解表薬、止咳平喘薬、去痰薬の主要な帰経は「肺」、安神薬、開竅薬の主要な帰経は「心」、瀉下薬、化湿薬、消食薬の主要な帰経は「脾胃、大腸」、明目薬、潜陽薬、止痙薬の主要な帰経は「肝」、涼血薬、活血薬、止血薬、補血薬の主要な帰経は「肝、心」、補気薬、清気分熱薬の主要な帰経は「肺、胃」など、関連つけて理解するとよい。

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